はじめに
動画コンテンツの作成とは、自分の持つノウハウなどをビデオカメラで撮影して動画として提供できる形態にすることです。
動画のメリットはいろいろありますが、1つは文字を読まなくていいこと、また、文字や写真だけでは伝えにくいことを伝えられることがあります。
動画コンテンツを配信(パブリッシング)する方法も、一昔前はDVD化が唯一の現実的な方法でしたが、YouTubeなど動画サイトの品質の劇的な向上、また、インターネットのダウンロード速度の向上などによりネット配信が当たり前の時代になりました。
一方で、動画コンテンツを作ることに関しても、作成環境のハードルがコスト、技術の両面で劇的に下がっておりシロウトでも自分で作れる様になっています。
そこで、動画コンテンツ作成方法と題して、自分で動画コンテンツを作ろうとお考えの方にその方法をご説明します。
必要な機材を準備する
動画コンテンツを作るために必要な機材は、その用途にもよりますがとりあえず以下のものぐらいが必要です。
民生用ビデオカメラ
民生用とは、要するにプロ向けではない、一般大衆向けの廉価な製品という意味です。
いわゆる、お父さんが子供の運動会の撮影に使うようなビデオカメラのことです。
プロ仕様との決定的な違いは、レンズとなりますが、4Kや8Kのハイビジョン放送の番組作りをする訳ではありませんから、通常のHDレベルの動画コンテンツを作るには民生用で十分です。
撮影する動画の品質は、HD画質が一般的ですが、ファイル容量を抑える、そして、編集負荷を下げるために少し画質を落として撮影するのがオススメです。
なお、未だにDVDによる配信が存在しますが、DVDのみを作成する場合はHD画質は不要ですのでSD画質で撮影します。
2018年時点で販売されているビデオカメラでしたら、機能は十分ですのでカタログ上の画素数は気にしないで選べます。
値段としては、4,5万円もするビデオカメラであれば十分です
例えば、ソニーの「HDR-CX470」などは3万円程度で買えます。
https://www.sony.jp/handycam/
https://www.sony.jp/handycam/products/HDR-CX470/ (2018.5.29現在)
今時、大衆向けのビデオカメラはほとんどがハードディスクへ録画したファイルを保存してくれますが、稀にテープ録画のものがあります。
テープの場合は、編集に際に動画の取り込み作業が必要になり非常に面倒ですので避けてください。
ところで、こういった安くなったビデオカメラと言えども気軽に買えるほど安くもありません。
そこで、最初はスマートフォンやデジタルカメラの動画撮影機能を使うという手もあります。
後述する音声の面では、問題がありますが、用途を限定すればスマホによる撮影でもコンテンツになりうるかもしれません。
例えば、近距離の自撮りをするような場合です。
セミナー会場での撮影には、スマホでは望遠機能が弱いので力不足です。
また、手段としてこのような方法があるとお伝えしたまでで、オススメしている訳ではありません。
三脚(一脚)
セミナーや講演会を撮影する場合はもちろんですが、カメラを構える場所が決まっているなら、位置を固定して撮影するために三脚は必須アイテムになります。
また、動画の品質を下げる要因の大半が手ぶれです。
撮影者が移動しながら撮影する場合でも、一脚というカメラを一時的に地面に固定して使えるものを使うことを強くオススメします。
三脚は、ビデオカメラと同じメーカーのもので、リモートコントロールが可能なものを選んでください。
三脚の実物を量販店などでみると、ビデオカメラに比べて大きくがっしりしているので、小さなビデカメラに対して大げさに感じるかもしれません。
ただ、それぐらい安定感が必要だと思ってください。
一脚については、ヨドバシやビックカメラなどの量販店に行けば千円程度で手に入ります。
一脚は、手持ち撮影の場合のサポートに過ぎませんから何でも構いません。
ワイヤレスマイク
マイクは、ビデオカメラに内蔵されているマイクで集音するのはやめた方がいいです。
この集音が悪いと、動画の品質を下げることになります。
内蔵マイクを使うと、撮影者の出す音が全て拾われてしまうためシロウトっぽさが際立ってしまうのです。
マイクの選択肢としては、主に、ワイヤレスマイクとガンマイクがありますが、用途に応じて選びます。
セミナーや講演会の場合は、ほぼ無条件でワイヤレスマイクを選びます。
撮影対象が複数名で、なおかつ撮影者が動く必要がある場合はガンマイクも選択肢になりますが、キレイに音を拾うことを考えるとワイヤレスマイクには及びません。
ワイヤレスマイクは、ソニーの場合は、ブルートゥースによるマイクがコンパクトで使い勝手がいいです。
注意点としては、電池がアルカリ電池を使ったとしても2時間弱しか持たないことです。
必ず、2時間に1回は電池の交換を行う必要があることを頭に入れておいてください。
【ワイヤレスマイクロホン】
https://www.sony.jp/handycam/products/ECM-W1M/ (2018.5.29現在)
ICレコーダー
ICレコーダーは、音声収録のバックアップとして使います。
例えば、何らかのアクシデントで録画が途絶えてしまったり、あるいは、前述のワイヤレスマイクのバッテリーが切れてしまった場合などに役立ちます。
音声さえ録れていれば、録画が途絶えてしまっても、数分程度であれば編集でカバーできます。
また、参加者も発言をする形態のセミナーの場合は、参加者の声を拾う必要があるため、ICレコーダーを参加者の側に置いておくことで音声を拾います。
最近のICレコーダーは、非常に高感度の録音ができるものがあり、遠くに座っている参加者の声などもうまく収録してくれます。
【ボイストレック VN-541PC】
https://olympus-imaging.jp/product/audio/vn541pc/ (2018.5.29現在)
充電式電池
充電式電池とは、ニッケル水素電池です。
前述のワイヤレスマイクに使います。
アルカリ乾電池でも問題ありませんが、ワイヤレスマイクは、無線を使っているため電池の消耗が激しく電池代がバカになりません。
また、前述のICレコーダーもニッケル水素電池が使えるモノが多いので併用できます。
長丁場の撮影の場合は、充電器も撮影会場に持ち込んで、常に充電しながら作業をするといいでしょう。
もちろん、バックアップとしてアルカリ乾電池も何本かバッグの中に準備しておくことをオススメします。
パナソニック 充電式エボルタ 充電器セット 単4形充電池 4本付き スタンダードモデル K-KJ53MLE04
電源延長コード
数時間の撮影であれば、ビデオカメラのバッテリーで済ませることも可能ですが、それでも途中でバッテリー切れになるリスクはあります。
バッテリーが途中で切れても撮り直しがきく撮影なら問題ないでしょうが、セミナー・講演会の撮影であれば途中でバッテリーが切れると大問題になります。
そのため、ビデオカメラは電源につないで使うことを前提に考えてください。
ただ、会場の電源(コンセント)の位置とカメラを設置する場所との関係は、その日に現場に行ってみないとわからないケースがほとんどです。
そのため、少々電源(コンセント)の場所がカメラの位置より遠くても問題がないように電源延長ケーブルを用意しておくべきです。
長さは、最低でも5メートルは欲しいところです。
PC装置関連
動画編集にはそれなりに速いPCが必要です。
CPUの速度以上にメモリが重要で、メモリは最低でも4Gぐらいは必要です。
また、動画コンテンツをDVDとして配信される場合は、ライティングができるDVDドライブが必要になります。
動画ファイルは非常にサイズが大きいため、必ず外付けのハードディスクを用意してそちらに保存することをオススメします。
容量としては、1TBあれば十分ですし、価格かなり安くなってきています。
動画編集ソフト
動画コンテンツを作るのに、動画編集ソフトは必須ですが、最近では廉価版の動画編集ソフトが各種あります。
どれがベストとはいえませんから好みで選ばれるといいと思いますが、オススメの1つは「Adobe Premiere Elements」です。
https://www.adobe.com/jp/products/premiere-elements.html (2018.5.29現在)
理由はいろいろありますが、歴史があって書籍を含めた情報が多いことと、DVDを作成する際のエンコーダーの性能が良くキレイに作成できます。
これら以外の選択肢として、WindowsやMacにもともと付属している動画編集ソフトを使う手もあります。