盗撮技術の進化は止まらないので自ら防ぐ時代になります。メガネ型のカメラなどの技術的にはもう何年も前から可能であり、いかに低コストで性能のいいものを出すかの段階に入っています。カメラパーツはどんどん小型化し、記憶媒体も容量、サイズ共に向上します。加えて、無線チップの小型化、省電力化も進み、ネットは5Gで高速化され、撮った画像がリアルタイムでインターネットに送れるようになります。
盗撮され放題への流れは止められない
先日、「カメラ内蔵メガネ」を宇之衛さんという企業が応援購入サービス「Makuake」を使って先行受付をするという記事をYahoo!ニースでみました。
記事本文では、衝撃に強く30gと軽量、microSDカードが使えて長時間撮影可能、ドライブレコーダーとしても使えるなど製品の特徴を紹介していました。
一方で、案の上というか、大量のコメントが付いていました。
- 盗撮されるのが恐い
- メガネを置きっぱなしにされると気付かずに撮影されてしまう
- 撮影中であることが明確に認識できる機能が必要
- ネガティブな用途に使われる方が多そう
このような、普通に人が感じる不安がコメントとして沢山アップされていました。
確かに、こういった不安は分かります。
ただ、残念ながら、もはや”盗撮され放題”の流れは止められません。
前述の企業さんが発売しなくても、遅かれ早かれ”盗撮が容易にできるカメラ”をどこかの企業が発売します。
メガネ型のカメラは、技術的にはもう何年も前から可能であり、今はいかに低コストで性能のいいものを出すかの段階に入っています。
この先は、カメラパーツはどんどん小型化し、記憶媒体も容量、サイズ共に向上します。
加えて、無線チップの小型化、省電力化も進み、ネットは5Gで高速化され、撮った画像がリアルタイムでインターネットに送れるようになります。
もちろん、こういった盗撮やり放題の状況をバッシングする風潮は高まると思います。
そして、メーカー側が、世間から批判を浴びることや、あるいは国などからの圧力によって、一時的にひるむ可能性はあります。
ただ、全体の流れとしては流れが止まることはありません。
仮に、法律改正などで抑え込もうとしても、そもそも線引きが困難です。
今でも、すでに音声の方の”隠し録り”は防ぎようがありません。
録音は、ICレコーダーは小型化、スマホでワンタップで可能、スマートウォッチでも可能な時代です。
これをどうやって防ぐのでしょうか?
”けしからん”と怒る気持ちは分かりますが、頼れるのは個人の倫理観だけであって根本的に防ぐ方法はありません。
つまり、すでに、もう”そういう”時代になっています。
中国ではすでに監視社会の実用化段階
こういったメガネに埋め込むような小型カメラの低コスト化や大量生産は、中国メーカーの得意分野です。
そして、もう既に中国国内では、こういった小型カメラによる国民の監視が始まっているようです。
街中に監視カメラがあるのはもちろん、警察官や軍人のヘルメットには全てカメラ取り付けてあり常に市民の監視を続けています。
そして、撮影された画像は、すべてリアルタイプでサーバーにアップされAIによる分析が行われます。
こういったことが、映画の世界の話でもなんでもなく、すでに中国国内では実用化段階に入っているということです。
中国が、AIの研究開発に力を入れているのは、自動運転の分野で覇権を握るためではありません。
主目的は、軍事利用であり、監視社会の構築の方です。
そして、国内で蓄積したノウハウを使って、海外での諜報活動に使うはずです。
インターネット接続があれば世界のどこにいても、全く同じ監視活動ができるからです。
そして、メガネ型で撮影していることが外観からでは全くわからないレベルまで技術が進めば、中国に限らず、スパイによる海外での諜報活動は激変します。
コストが劇的に安くなるため、諜報員の数が激増すると予想されます。
特に、日本は脇が甘いため徹底的にやられるはずです。
インターネットをオープンに使えるようにしている限りは、外国の諜報活動は野放しになるということです。
どう備えるを考える方が合理的
もちろん、日本国内においても、犯罪防止を名目に国家権力による監視権限は強化されるはずです。
特に、警察の権限は、治安維持を盾に相当膨らむはずです。
暗い話ですが、これは普通に想像できる未来です。
現実を受け入れた上で、どう備えるかを考えた方が合理的です。
個人でできることは、全てしたいところです。
まず、マインドの問題です。
外にいる場合は、常にカメラで監視されていると思った方がいいでしょう。
変な行動をすればすぐにAIが検知すると思っていて間違いない未来が近いです。
また、常に誰かに自分が話していることを聞かれていると思った方がいいです。
筆談すら危なくなる可能性もあります。
程度の差に関わらず、国家権力に刃向かうなどといったバカな考えは起こさない方が賢明です。
こっそりやればバレないで済むことなどなくなるでしょう。
屋外での活動は、完全に監視されることになりそうですが、屋内だからと言って安全とは言い切れません。
今でも、電波が出ている機器をスキャンして、盗聴器を見つけるサービスがありますが、こういったサービスのニーズが更に高まるはずです。
特に、賃貸物件の場合は、入居前には個人で必ずやるべき作業になるはずです。
不動産屋は、口だけで何もやってくれないでしょうから自衛するしかありません。
逆に、賃貸オーナーとしては、自分の貸している物件を守るために半ば堂々とやる可能性だってあります。
例えば、隣の部屋からカメラを仕込まれるかもしれません。
リアルタイムで、映像や音声がインターネット経由でダダ漏れになる時代になると新たなニーズも出てきます。
ビジネスとして、携帯やWiFiの電波を完全に遮断できる部屋の需要が出てくると思います。
媒体に記録されるのは防げなくても、その部屋に入れば、外部に一切映像や音声が漏れない環境です。
そこで、物理的に防ぐための壁や壁紙、あるいは、妨害電波の発生機器などが登場しそうです。
今回この内容を書きながら思ったのですが、もしかすると未来ではなくてもう既にダダ漏れだったりして、と思ってしまいました。
もはや、常に、誰かに聞かれている、そして、誰かに見られていると思って行動した方が良さそうですね。