ビジネスの成功のためには緻密なリサーチの上でターゲットを絞り込む必要があります。そのために、年齢、性別、職業など人口統計であるデモグラフィック変数と価値感、ライフスタイルなどの心理学的なサイコグラフィック変数を考慮する方法をご紹介します。そして、ターゲットが絞り込めると最適なベネフィットが選定できて、そこから反応率の高いキャッチコピーを作ることができます。

作り込んだつもりのランディングページだがサッパリ売れない。

原因としては、ターゲットの絞り込みが甘いことが考えられます。

絞り込みが甘いと、ベネフィットがビタッと決まらないのでキャッチができません。

わかりやすく言えば、いいキャッチコピーが作れないわけです。

ターゲットに響くベネフィットを考えるためには、2つの変数「デモグラフィック変数」と「サイコグラフィック変数」のリサーチが必要です。

カタカナで用語なので難しく感じるかもしれませんが、意味がわかれば恐るるに足りません。

今回のメルマガは、『10倍売れるWebコピーライティング』の内容を参考にしています。

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デモグラフィック変数

demographic=人口統計、という意味です。

そして、一般的に、ターゲットの絞り込みといえば自然とこれをベースに行われています。

人口統計とやらの、中身をが分かれば全然難しくないことがわかります。

必要となる人口統計情報としては、基本的に次の7つになります。

①年齢 ②性別 ③世帯規模 ④所得 ⑤職業 ⑥学歴 ⑦住所

(ネット販売の場合は、⑦住所は使わないケースが多いです。)

この6つ、ないし7つ情報を使って、自らのビジネスのターゲット像の”仮説”を立てます。

また、1パターンだけでなく複数、少なくとも3パターンぐらいを考えます。

今回は、3つ考えて例示してみます。

ビジネスの例として、”アロマセラピスト”さんが”セルフヒーリングのやり方”をまとめたオンライン講座を作って売ろうとしているケースを考えてみたいと思います。

一覧できるように、こんな感じの表を作るといいと思います。

 

①独身OL

②子育て主婦

③子離れ主婦

年齢

20代〜30代

40代

50代

性別

女性

女性

女性

世帯規模

1人

4人

2人

所得

350万円

400万円

400万円

職業

会社員・派遣

兼業主婦

兼業主婦

学歴

私立大

MARCHレベル

高卒

そして、売上げが最大になるのは、この中のどの列かを考えます。

ターゲット層の人口数、経済力、そして、あなたの商品の内容と価格から考えます。

セルフヒーリング講座が、月額3000円のサブスクリプションの場合はどうなるでしょう?

例えば、

 20〜30代、40代とでは、どちらがサブスクリプションの利用に抵抗がないか?

 セルフヒーリングを必要としているのは、独身か、子育て中か?

 セルフコーチングの必要性を感じる層と学歴との相関関係はあるか?

といった感じです。

最初に考えた3パターンにピタッとハマる訳ではないので、どんぴしゃのターゲットになるまで、3つの仮説を微調整しながら絞り込みをしていきます。

つまり、最初に作った区分けに囚われる必要はなくて、上図であれば、①の学齢がMARCHに分かってもいいですし、②が独身女性に変わってもいいわけです。

サイコグラフィック変数

サイコグラフィック変数とは、日本語で心理学的変数となります。

ほとんどの人は、ターゲットの絞り込みの際に、この心理学的な部分を考慮しません。

今ご紹介したジオグラフィック変数的な絞り込みはやっても、こっちは手つかずな人がほとんどなのです。

つまり、これをやると絞り込み精度がグッと上がって差を付けられるということです。

サイコグラフィック変数という変数には、種類がたくさんあって、例えば、

 顧客の特性
 価値観
 ライフスタイル
 意見
 立場
 嗜好
 趣味
 興味
 ロイヤルティ

、などになります。

すでに商品が売れていて、ある程度の顧客データが蓄積されている場合は、アンケートなどを使って詳細にこれらの変数を分析すると自社の顧客の実像が明確になります。

今回は、デモグラフィック変数の場合と同様に、仮説を立てる作業です。

上記の種類全部はとても扱えないので、最低限押さえたい、”価値感、ライフスタイル”の2つだけで考えていきます。

①価値感

人の基本的な価値感として次の5つがあります

 仕事・お金・家族・人間関係・健康

この5つをデモグラフィック変数の際に絞り込んだターゲットの場合だと、どういう優先順位を付けるか仮説で並べてみます。

並べる理由は、極端な例として、健康の優先順位が低い、つまり健康に興味のない人には健康系の商品・サービスは売れないからです。

あるいは、仕事をしていない女性、例えば専業主婦の方には、仕事の効率を高めるといったノウハウは売れないからです。

つまり、価値感の優先順位をつけることで、売ろうとしている商品と見込み客の価値感をすり合わせるために必要な作業となります。

②ライフスタイル

ライフスタイルには2つの軸があります。

1つ目は、”アーバンライフ or カントリーライフ”です。

平たく言えば、都会でのハデな生活か、田舎など自然の中でののんりび生活かの、どちらを好むかです。

ライフスタイルを考慮することで、見込み客の心の琴線に触れるメッセージを作れるようになります。

例えば、カントリーライフ派に、「セルフヒーリングの効果で、自然と調和してその恵みを取り入れるための心身の準備が整います」とのんびり系のメッセージなら琴線に触れる可能性があります。

ところが、「セルフヒーリングで疲れを残さず毎日エネルギッシュに自分を表現できます」とバリバリ系のメッセージでは響かない可能性が高いです。

逆に、このメッセージはアーバンライフを好む方には響く可能性がありあす。

2つ目は、”キャリアライフ or リラックスライフ”です。

こちらを平たく言えば、仕事が人生の中心か、仕事以外の趣味などが大切か、のどちらの生き方を好むかです。

例えば、仕事中心のキャリアライフ系の人には「セルフヒーリングで自分の自信のない部分を消せるので、いつも自信満々の強い自分を表現できるようになります」というメッセージは響く可能性があります。

ところが、「セルフヒーリングで癒やしのエネルギーが高まり、あなたの周りに豊かな友人がたくさん集まってきます。」では響きにくいはずです。

逆に、リラックスライフを好む人には響くかもしれません。

次に、このサイコグラフィック変数を調べる方法です。

有力な方法を3つご紹介します。

①ぴったりの知人に直接聞く

ターゲット層にぴったり、あるいは近い人を知人の中から探して、直接話を聞くという方法です。

恐らくこの方法が一番いいリサーチができます。

②雑誌で調べる

ターゲット層が購読している雑誌を調べると、その雑誌で取り上げられているトピックからターゲットの好む価値が分かります。

雑誌については、dマガジンなどサービスを利用すれば、たくさんの雑誌を安価に定額で購読できて合理的です。

③SNSで調べる

SNSへの投稿にはその人の価値感が反映されます。

そこで、ターゲット層にぴったりの人がInstagramの友だちにいるなら、その人のプロフィールからたどって投稿内容を観察します。

投稿している写真やメッセージ、タグなどから嗜好や考え方がわかります。

SNSの利用する方法は、居ながらにして調べられるので便利です。

ベネフィットを選定する

これまでのリサーチ結果を使って、ターゲットに響くベネフィットを選定します。

ベネフィットは、ターゲットに響く訴求ポイントのことです。

ところで、まず最初に、メリット(特徴)との違いについて明確にしておく必要があります。

ごっちゃにされる傾向が強いメリットとベネフィットの違いを再度確認しておいてください。

例えば、セルフヒーリング講座の場合のメリット(特徴)は

 自宅に居ながら好きなタイミングで自分を癒やせる

といった感じです。

一方、ベネフィットは、

 深い眠りのおかげで朝から一日輝いて活動できる

といった感じになります。

つまり、ベネフィットとは、メリットを利用することで将来得られる利益のことです。

そし、見込み客の感情を刺激する場合には、メリット(特徴)ではなくベネフィットが必要になります。

そこで、このベネフィット、ターゲットにとってのベネフィットが何かをターゲットの姿を強くイメージして考えます。

ここまでの作業によって、ターゲットの姿をリアルに強くイメージできるようになっていると思います。

このタイミングで、ターゲットに近い人の写真を目の前に貼っておくのもいい方法です。

インターネットで画像検索してみれば、イメージにぴったりな顔写真を見つかると思います。

ベネフィットは、なるべく思いつく限りたくさんアウトプットしてその中からベストなものを選ぶようにします。

どんなに少なくとも30個ぐらいは必要ですし、相当時間をかけて絞り出す必要のある作業になります。

アウトプットする段階になると、なぜか頭が真っ白になってしまう方がいらっしゃるのでベネフィットとしての具体例をいくつかご紹介します。

例は、これまでの流れで、「セルフヒーリング」という商品を利用したら、どういう未来が手に入るかにします。

  • 深い眠りのおかげで朝から一日輝いて活動できる
  • エネルギーフル充電で充実した一日を過ごせる
  • 頭がすっきりして本当にやるべきことに時間を使える
  • 自律神経が調整されて体の不調が軽減する

この例は、あくまで考えるためのきっかけにしてください。

なぜなら、あなたが仮定したデモグラフィック変数とサイコグラフィック変数によって、ベネフィットの毛色は全く変わってくるからです。

この最後の例だけをみて考えてしまっては、これまでの作業がすべて無駄になりますので注意して下さい。

あくまでも、絞り込んだターゲットをリアルにイメージしながらアウトプットをしてください。