広告は繰り返し見た人の方が購入する確率が上がると言われています。ただ、ワンパターンで何度も繰り返すとしつこいと思われて逆効果になる可能性もあります。そこで、飽きられないように広告にバラエティを持たすためにたとえ話やストーリーを使います。
繰り返せば繰り返すほど売れる。
ただし、しつこいと思われたら逆効果となる。
広告や宣伝をして商品・サービスを売ろうとする場合、お客様は3回以上その広告・宣伝に触れないと購入しないと言われています。
ところが、5回以上同じ広告に触れると、逆に「しつこい」「見飽きた」とネガティブな印象を持たれてしまいます。
そこで、しつこいと思われないで広告・宣伝を何度も繰り返す方法について考えてみたいと思います。
単純接触回数を増やす
「単純接触効果」とは、「ザイオンス効果」とも呼ばれるポーランド出身のロバート・ボレスワフ・ザイオンスさんという心理学者により、1968年に論文発表されたものです。
特定の人やものに接する回数が増えるほど、その対象に対して好印象を持つようになる現象のこと。
今はどうか知りませんが、会社の営業マンが、取引先との関係をつなぐために足繁く先方をを訪問するのもこの効果を狙ったものです。
そして、対象となる”もの”には情報も含まれて、広告も情報の一種なので対象になります。
また特筆すべきなのは、好き嫌いに関係なく回数を重ねるごとにだんだんと良い印象に変わっていくことも分かっています。
ちなみに、反復回数による反応率の数字の変化をご紹介します。
条件によって変わってくるのであくまで参考値として受け取ってもらいたいですが、3回繰り返すと45%以上に、10回繰り返すと85%以上となっていくそうです。
そう考えると、最初にお伝えしたとおりに、少なくとも3回以上は繰り返したいのですが「しつこい」とネガティブな印象を持たれないようにする工夫が必要です。
そのためには、毎回、”表現方法”を変える必要があり、逆にこのよう方法を変えた反復の場合には好印象を与える効果もあります。
受けてが飽きることなく、抵抗なく同じ情報を受け取ってもらうためのテクニックとして、”たとえ話”と”物語”を使う方法があります。
たとえ話を使う
人は頭を使うのが嫌いなので、難解で複雑な話をしてもスムーズに頭で想像をしてくれません。
そこで想像しやすいシンプルなものにするために”たとえ話”を使います。
受け手が、よく知っているエピソードや言葉を使って、難解で複雑な話を置き換えるわけです。
では、例を出してみたいと思います。
私が副業をオススメしている理由のひとつは、複数収入源を持った方がいいという理由があります。
このことをたとえ話を使って表現してみます。
旅客機は、片方のエンジンが止まっても飛び続けることができると言われています。
旅客機のエンジンが飛行中などの止まってしまう事故は確率が低いですが、両方のエンジンが同時に止まってしまう確率は更に低いです。
ですから、エンジンの故障が原因で旅客機が失速して墜落する確率は非常に低いことがわかります。
これを、収入源にたとえて、会社からの給料だけの場合と、それ以外に副業からの収集がある場合も同じことが言えます。
本業である会社をクビになって給料が途絶える確率は非常に低いですが、それでも今の時代は可能性としてはありえます。
ただ、副業からの収入があれば、本業と副業の両方の収入が同時に止まる確率はほとんどありません。
つまり、複数収入源があるということは、非常に安全な状態なのです。
もう一つ作ってみました。
私はオール電化の住宅には住みたくありません。
理由は、災害があった際に、オール電化住宅は電気が止まるとすべての機能を失うからです。
もちろん、現代社会のスタイルでは、電気が途絶えればほぼ何もできなくなります。
ただ、ガスだけでも使える状態だと、少なくともガスコンロでの調理とガス給湯での浴室は使えます。
災害時には、こういったことができるだけでもありがたいはずです。
あとは、一緒ですね。
これを、収入源にたとえて、会社からの給料だけの場合と、それ以外に副業からの収集がある場合も同じことが言えます。
ということです。
こんな感じで作るといいと思うのですが、たとえ話を作るのは結構難しいです。
そこで、たとえ話を目にしたら自分に使えそうならそれをストックしておくといいです。
ストックが溜まれば、それを反復して繰り返して広告を出す際に利用できます。
もちろん、今回私がご紹介した例もあなたのビジネスで使えそうなら是非活用してください。
物語を語る
実は、物語、ストーリーは、たとえ話と同じぐらい難易度が高いです。
ただ、効果は抜群に高くて、その理由は、人の脳は物語を理解すると記憶しやすい性質があるからです。
また、1つのストーリーになっていて記憶しやすい情報に価値を感じる傾向もあるため、ストーリーを使わない手はありません。
それでは例を出します。
日本には、匠の技と呼ばれる技術を有する世界の追随を許さない「部品産業」があります。
具体的には、切断、切削、溶接、研磨という技術が部品産業の世界的な競争力を支えています。
そして、形状が複雑になればなるほど、この技術の進化が発揮されます。
他国にはマネができないため、世界的にも選択の余地がなく日本が選ばれてきた訳です。
どの国にも真似できない未来永劫に安定した技術とも言えるかもしれません。
ところで、今あなたにはメインの収入源である本業があり、業界も成長しており、あなた自信の技術・能力も高く、本業としては安定していると自信を持っているとします。
話を日本が誇る部品産業に戻します。
実は、これまで手作業という方向からは、他の追随を許してこなかったこの業界でしたが、全く別の方向からライバルが現れました。
3Dプリンターの登場です。
使える材料が、当初のプラスチックから今では金属やコンクリートまで広がった3Dプリンターがあれば設計図さえあれば、これまでの切断、切削、溶接、研磨という技術が不要になります。
今後も3Dプリンターの性能は向上し続けてコストも下がるでしょうから、近い将来に日本の部品産業は大きく衰退することになります。
こんな激変を一体だれが想像したでしょうか?
どんな分野であっても、今がいくら安定していて、将来的にも他の追随を許さないという予想ができても、これからの時代は何かのきっかけでこの様な状況を迎えることは十分に考えられるわけです。
つまり、今のあなたの本業がいくら安定していて、あなた自信にその分野での能力に自信があっても、これと全く同じ事が言えるわけです。
ただ、慢心せずに、今の安定がいつ崩れてもおかしくないという心の準備ができていれば、話は別です。
普段からの副業をしてリスクを分散しようと考えるし、本業が廃れてしまっても精神的なショックは少ないでしょう。
本業が消えてなくなり、周りがオロオロしている間にも、副業の収入で凌ぎながら新たな方向に向けていち早くリカバリできるはずです。
こんな感じです。
また、細かい技術ですが、複数のストーリーを使って反復するのはもちろん、ストーリーの中にも反復を盛り込むと効果的です。
ストーリーの組み立て方は、人を動かす物語の基本と言われる「上げて、落として、また上げる」です。
この組み立て方で感情を揺さぶると、聞き手の印象・記憶に残りやすくなります。
今回は広告で使うことを前提にお伝えしていますが、メール・メルマガ、企画書、プレゼンなどに同じ構造を持ち込めば、ストーリーの力でこちらのメッセージが伝わりやすくなります。