メルカリが、プロ野球の「パ・リーグ Exciting Moments β」でNFT事業に参入するそうです。ただ、あくまでメルカリは黒子的な役割だそうですが、その真意はNFTに紐付ける独自の暗号通貨メルコインかもしれません。メルカリのマーケットプレイスで暗号通貨が使える日は近いかもしれません。

NFTとは

メルカリが、プロ野球のパ・リーグ6球団の共同出資会社であるパシフィックリーグマーケティングと共同でNFT事業に参入するそうです。

事業としては、「パ・リーグ Exciting Moments β」というサービスで、現役選手の2021年における名場面やメモリアルシーンを収めた動画を購入できるようにするそうです。

なぜ、メルカリがNFT事業なのか、そして、これまでも可能だった動画の販売をNFT事業にする理由は何なのでしょう?と私は好奇心を持ってます。

それ以前に、NFT事業とかいっても消費者にそれを理解してもらえるのかなどの疑問もあるので、より興味深い取り組みと言えると思っています。

 

以前の動画「私はまだNFTに価値を見いだせない」でも説明されてもらったのですが、一般的な説明を聞いてもピンとこないのがNFTです。

NFTは英語で「Non Fungible Token」、日本語に直訳すると「非代替性トークン」となります。

Tokenは、日本語にするのが難しいのでカタカナでトークンと訳されていますが、とりあえず”しるし”という意味にしておきます。

次に、代替性というのは、”代替が可能”という意味で、例えば、暗号通貨などは代替可能なFT(代替性トークン)です。

なぜなら、同じ価値のものを発行できるからです。だから、通貨になり得るわけです。

対して、非代替性となると代替か不可能になって、同じ価値のモノが発行できない、つまり1つ発行すると固有のものになります。

このトークンを持っていると所有権の証明になります。

つまり、NFTによって、デジタル上で物を持てるようになった(所有できるようになった)と言われています。

この説明で多少具体的になってきたので、なんとなく理解できた方もいらっしゃるかと思うのですがそれでも分かりにと思います。

より理解するには、今まで所有権がなかったから何が問題で、所有できるようになるとどういうメリットがあるのかなどを突き詰めていくといいと思います。

こちらの動画で、現時点でも私の考えを述べているのでこの動画の後にご覧ください。

動画「私はまだNFTに価値を見いだせない

とりあえず、細かい突っ込みはなしで、NFTによってデジタルコンテンツを違法転売やコピーされることなく商品として扱える様になったという前提で続けます。

メルカリのマーケットプレイス

メルカリのミッションは、「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」ことだそうです。

マーケットプレイス、この場合は電子を付けて電子市場という意味になります。

マーケットプレイスというと、私がすぐに思いつくのはAmazonマーケットプレイスですが、種類とか機能ごとにいろいろなパターンのマーケットプレイスがあります。

メルカリのマーケットプレイスというのは、主に、フリマ市場、そして最近では「メルカリショップ」というネットショップも追加されました。

メルカリは、この自社のマーケットプレイスをNFT事業によって拡張させるのが目的だそうです。

今回の「パ・リーグ Exciting Moments」サービス運営については、黒子的な役割で事業を支えるようです。

と言うのは、当初は「パ・リーグ Exciting Moments β」を利用するのに、メルカリのアカウントは不要で、決済機能もメルペイではなく通常のクレジットカード決済が採用されるそうです。

しかも、NFT事業と言っていますが、当初はNFTコンテンツではないそうです。

NFTコンテンツというのは、NFTによって所有していることのしるしが付いたコンテンツという感じです。

例えば、動画を買ったら、その動画は他の人は、買えないし、見れないし、もちろんコピーもできないというイメージです。

厳密には、突っ込み所が多くてこんな単純でもないのですが、イメージとして理解して下さい。 

そして、そもそもNFTコンテンツのやり取りには大前提があって、紐付く暗号通貨が必要になるのです。

つまり、イーサリアムなんかの暗号通貨がないとNFTというしるしが付けられないということです。

メルカリが、この事業に参入した目的は、NFT事業のノウハウを確立しようとしているのだと思います。

そして、自社のマーケットプレイスでもNFTを使えるようにすることが目的なのだと思っています。

また、「パ・リーグ Exciting Moments β」のコンテンツがNFTになって、本当のNFT事業になった際には、暗号通貨が必要になるので、その際に自社のメルコインを使いのではないかと想像しています。

メルカリさんは、独自の暗号通貨であるメルコインというのを今準備されているそうです。

まだ存在しない独自の暗号通貨であるメルコインが、このタイミングでデビューするのかもしれません。

基軸通貨以外での価値のやり取り

既存の経済圏は、国家による基軸通貨、具体的には円、世界規模になるとドルなどによる経済圏です。

そして、この基軸通貨以外の通貨で価値の交換ができる未来が間もなく到来するはずです。

具体的には、暗号通貨による経済圏です。

実は、メルカリを使っている人は、この基軸通貨以外での価値のやり取りをすでに疑似体験できているはずです。

具体的には、メルカリで何かを売って、その売上げでメルカリに出品されている商品を買ったり、あるいはメルペイでメルカリの外の商品を買ったりすることです。

通貨単位は円ですが、この間のやり取りに政府や銀行はまったく介在していないからです。

私は最初、通貨を全く使わずにお金の移動がなされるので「これでいいのか?」という感覚を覚えました。

そして、私もそうですが、現金を使わないキャッシュレスで生活している人は、もうすでに物理的な硬貨や紙幣を使っていないので円を感じなくなっているかもしれません。

そして、ここからばポイントですが、この今は”円”という通貨単位でやり取りされている部分に、暗号通貨が使える様になるとどうなるでしょうか?

メルカリの売上げが暗号通貨でもらえて、その暗号通貨を使ってメルカリ内の商品やメルカリショップの商品を買えたりするわけです。

暗号通貨は既に存在するビットコインやイーサリアムなどを使えばすぐに可能です。

ただ、メルカリは、ここに独自の暗号通貨メルコインを持ってくるのだと思います。

もしかすると、既存のビットコインやイーサリアムなどの暗号通貨も使える様にするのかもしれません。

そして、メルカリのマーケットプレイス内でNFTコンテンツのやり取りをするということなのだと思います。

現状では、暗号通貨を使うなんて恐いと考えている人も多いと思いますが、将来的にはどうなのでしょうか?

例えば、中国の人は自国の通貨である元を信用していないので、資産をビットコインなどの暗号資産に移している人が多いです。

今は日本の通貨である円は信用がありますが、例えば国債が暴落してハイバーインフレになったら話は別です。

もちろん、世界規模ではドルが強いのでドルに逃げる手もあります。

ただ、知識として暗号資産については持っていた方がいいかもしれません。