漫画「筋肉マン」が成功したのは途中でピボットしたからです。ピボットとは、ビジネス用語で事業の「方向転換」「方針変更」という意味ですが、ほとんどのケースでこのピボットを繰り返さないとビジネスはうまくいきません。ただ、一貫性の法則という感情が邪魔をして、このピボットができないケースが多いのです。

キン肉マンが売れた理由

諦めないで続ける!

これは、ビジネス成功の秘訣としてよく語られる正論です。

ただ、うまくいかないことをダラダラ続けてもほとんど無意味です。

そのため、ピボット、つまり路線変更が必要になります。

ただ、言うほどピボットは簡単ではなく、あなたの感情が邪魔をします。

 

キン肉マンというコミックは、アニメ化もされているのでご存じの方も多いかと思います。

ものすごくヒットした超人プロレスマンガですね。

キン肉マン世代というのは、現在40歳代の方でこの年代がヒットを支えたということです。

つまり、55歳の私はキン肉マン世代ではありません。

ただ、実はキン肉マンの連載は1979年に連載スタートしており、私は連載開始から少年ジャンプで読んでいました。

ですので、キン肉マンのピボットの歴史を知っているのです。

ピボットとは、ビジネス用語で事業の「方向転換」「方針変更」という意味です。

実は、キン肉マンは当初は、プロレス漫画ではなく、ギャグ漫画だったのです。

地球の平和を守るヒーローになりたいダメ超人で、街角で牛丼を立ち食いしていたキャラクターです。

嘘だと思われるなら、是非単行本の1巻から読んでみてください。

個人的には、牛丼吉野家の黎明期であったこととも重なり、嫌いではない漫画でした。

ただ、世間的には、鳴かず飛ばずのギャグ漫画だったのです。

ところが、著者の判断か、編集部の判断かわかりませんが、思い切ったプロレス漫画への路線変更が功を奏します。

言ってしまえば、当初のギャグ漫画を読む読者を裏切る行為だった訳ですが、結果的に大成功を収めてしまったわけです。

もし著者がピボットをせずに、頑固にギャグ漫画にこだわっていたならば、キン肉マン世代を喜ばせることはなかったわけです。

超ラッキーな人のマネはしない

ビジネスの世界においても、最初からうまくいくなんてことはそうそうありません。

仮に、一発目でうまく行ったビジネスがあるなら、それは相当その人のセンスがよかったか、はたまた運がよかったかのどちらかです。

個人的には、後者が99.9%を占めると思います。

ビジネスの成功は、経験豊富な起業家が、緻密にマーケティングリサーチした上で、何回もピボットしてやっと結果が出るぐらいのものです。

ですから、経験がない初心者の場合も当然何度かピボットする必要があると考えるべきです。

ただ、それ以前に初心者であってもマーケティングリサーチが必要です。

マーケティングリサーチというと難しく聞こえますが、できる範囲でいいので売れそうかどうかの調査をするべきということです。

まったく調査をせずに、思いつきで好きなことを始めるなんていうのはダメということです。

ただ、どういった方法で調査すればいいのか分からない人も多いと思うので、オススメのシンプルな方法をご紹介します。

それは、3C分析です。

3C分析を学ぶために、わざわざ本を買ったり、誰かに教えを請う必要はないです。

ググってもらえばいくらでも情報が出て来ますし、私の過去の動画でもちょこっと説明しています。

「ブレーンストーミングの弱点を補う方法」
https://youtu.be/kf40C9Qz950

3C、つまり、顧客Customer、競合Competitor、自社Company、それぞれの市場での位置関係を整理し分析するということです。

平たく言うと、顧客は誰なのか、ライバルはいるのか、自分が提供するサービスはどういう位置づけになるのか、を整理して分析するということです。

実は、世の中まったく何も調査せずに無策で挑む人が多いので、この3C分析を数時間するだけでも大きな差が付きます。

そして、この調査をやっておくとピボットもしやすくなります。

なぜなら、あらかじめうまく行かなかった場合の次の一手が準備できているからです。

無策で続けても意味はない

ただ、ピボットがなかなかできない人が多いのも事実です。

ピボットを躊躇させる一番は感情で、それは人間の本能の1つとも言える一貫性の法則によるものです。

人は行動、発言、態度、信念等が一貫している相手を高く評価し、信頼する傾向があります。

つまり、一般的に、ブレている人は評価も信頼もされません。

そのため、自分の行動、発言、態度、信念等を一貫性のあるものとしたいという心理が働くわけです。

しかも、やっと好きなこと、やりたいことを見つけて始めたという人ならより路線変更は感情的に難しくなります。

ただ、”自分の好きなことをやる”が、”頭を使わなくていい”の免罪符になっている場合が多いです。

無策は愚策に劣ります。

副業を含めて起業をするような人には少ないでしょうが、世の中一般的には、頭を使っていない、頭を使うのが面倒臭い人が非常に多いです。

逆に言えば、頭を使えば、その他多数から一気に抜け出せます。

また、好きなことを仕事でやるためには、好きなことの本質を見極める必要があります。

そうしないと応用が利かないからです。

例えば、料理が好きな人なら、具体的な職種としては短絡的に料理研究家ぐらいしか考えないはずです。

ただ、もし料理研究家でうまく行かなかったらその人は好きなことで仕事ができなくなるのでしょうか?

これが好きなことを仕事にするのは難しい、あるいは無理といっている人の意見です。

ただ、はっきり言ってこれは間違いで、好きなことを仕事にするの本質が分かってない人の意見です。

好きなことの中には、好きなことの本質があります。

例えば、料理が好きな人の中は、自分のアレンジで作る人もいますし、レシピ通りに作るのが好きな人もいます。

あるいは、美味しいと言ってくれる人の顔を見るのが好きな人もいますし、出来上がった料理の見栄えを見せるのが好きな人もいます。

言うまでもなく、これらの本質は全部違います。

そこで、例えば、料理のアレンジが好きな人は、他のことでもアレンジすることに同じ好きを見いだせる可能性があります。

このように、好きなことの中にある本質分かれば、後は自分の好きなことの本質と市場のニーズの一致点を見いだせばいいのです。

このように考えれば好きなことを仕事にする選択肢はいくつも候補があるということです。

だからこそ、躊躇なくピボットすることもできると思います。