こんにちは、藤田です。
今回もメルマガをお届けします。
プログラマー教育は変わる
前回もお伝えしましたが、私は現在、生成AI、主にChatGPTを使ってシステムの開発をしています。
プログラムコードを生成する際の生産効率が上がるのはもちろんなのですが、何よりもストレスが軽減されることが大きいと私は感じています。
ところで、私を始めとするプログラマーが現在行っている生成AIの活用方法は、あくまでもプログラミングの補助です。
つまり、メインはあくまで人であって、人が介在しないと動作するプログラムとしては完成しないわけです。
ところが、すでに次世代とも言える開発系のAIが登場しはじめていて、人の介在を無くすまでは行かなくても最小限に抑えることができそうな時代の到来を臭わせています。
まず、「Devin」というAIなのですが、このDevin(Cognition Labsが開発)は、世界初の完全自律型AIソフトウェアエンジニアだそうです。
従来のAIと異なる点は、コードを提案するだけでなく、コーディングからテスト、デプロイまで、ソフトウェア開発のすべての工程を自動化することができると言う点だそうです。
まだ、一般公開されていないのでその実力の程はわかりませんが、プログラミング系の生成AIが進んでいる方向がこういった完全自律型であることは間違いなさそうです。
もう一つは、こちらの方が知名度はあると思いますが「GitHub Copilot Workspace」です。
既に2023年に発表されて多くに人に利用されています。
この「GitHub Copilot Workspace」は、AI技術を活用した次世代開発環境ですが、現状はあくまでも開発のサポートをしてくれるに過ぎません。
ところが、これが今年中に大きく機能拡張して、開発プロセスのほぼ全てを自動化できるような機能を持つ方向になるということです。
生成AIの技術革新のスピードは留まるところを知らないという感じです。
そうは言っても、恐らく双方とも人の介在がゼロになることはまだ先(と言っても10年もかからない気がする)でしょう。
ただ、プログラミング開発環境がこれまでとは別ものになるのは確実です。
そうなると、今後の話として、しかも経営者としては喫緊の課題として考えるべきことして、従来型のプログラミング教育に意味があるのかどうかということになります。
つまり、今後は、こういった自律型の生成AIを使うことを前提にしたプログラミング教育に舵を取るべきではないかということです。
逆に言えば、従来型のプログラミング教育に固執しているような企業は、ここ数年の間に一気に遅れを取る可能性が高いかもしれません。
と、マイルドに表現しましたが、私の予想としては生成AIを前提にした教育を行うか行わないかで間違いなく大きな差が付くと確信しています。
収入格差が広がる理由
生成AIはプログラミングの世界とは親和性がとても高く、積極的に利用している人も多いため、このように業界の近未来の姿が分かりやすく想像できます。
それでも動かない所は動かないでしょうから、思い切って舵を取った経営者とそうでない経営者とでは大きな差が付くことはほぼ間違いないはずです。
では、他の業界はどうなるのでしょうか?
プログラミングのようにわかりやすい分野でない場合は、まだ生成AIがどう利用できるか、どのように活用できるか分からないはずです。
前向きで積極的な経営者のいる企業であっても、生成AIの活用を検証している状況だと思います。
ただ、抽象的には将来像は容易に想像できます。
まず、生成AIを使って仕事をできる人とそうでない人ととの生産性の高さがどんどん広がっていくということです。
つまり、これは支払われる給料の差となって表面化します。
大企業の場合は、抱えている社員を簡単には解雇できないので内部でなんとかかんとかやるかもしれません。
ただ、そうでない分野の従業員、具体的には、派遣で働いている方、中小零細企業の社員、個人で仕事をしている人たち、などはこの格差拡大の結果がそのまま給料に反映されることなります。
大袈裟でなく、生産性の差は5倍は付くでしょうから、本当にそれぐらいの給料格差が生じても不思議ではありません。
経営者側としては雇ってしまうと最低賃金の問題があるため、今後は業務委託という方向で対応してくるはずです。
時代の流れに適応しなければならない
では、格差を付けられない側にいるためにはどうすればいいのでしょうか?
松下幸之助さんの言葉に、「常に時代の流れを読み、それに適応する努力を欠かさぬよう心がけたいものです。」というのがあります。
これまでも時代の流れに適応できなかった人は取り残されてきましたが、それでも許容できるレベルでした。
言い方を変えれば、生産性が低くても生活ができないとか、仕事が全くないという状況は少なかったのです。
ただ、生成AIの登場は、残酷なぐらいに格差を広げるはずです。
そのため、取り残され方の程度が、これまでの比でないぐらい早く大きくなるということだと思います。
資本主義社会における生産性の格差は、収入に直結する格差になります。
そして、生成AI時代の格差は人口分布として均等に分かれることはないはずです。
できる人は少なく、できない人が圧倒的に多いといういびつな格差になるはずです。
米国の所得格差はすでにこういったいびつな格差になっているそうです。
日本での変化はマイルドだと思いますが、生産性に何倍も差がある従業員の給料を同等にしている状況を放置する経営者は少ないでしょう。
これまで以上に残酷なぐらいにごく一部の人だけが有利な立場に立つはずです。
ただ、まだ生成AIを使える人はほぼ皆無です。
使えると言っている人であっても所詮は手探り状態です。
正解もないし、ましてや教科書などありません。
ですから、今から使い始めていれば自分なりの使い方が身についてきます。
逆に言えば、時間をかけて実践しながらコツコツと身につけて言った人が、近い将来にごく一部の使える人になるはずだと思っています。