こんにちは、藤田です。
今回もメルマガをお届けします。
フライタークのピラミッドとは
マーケティングにストーリーが使えるというお話を何度かしていますが、その理由は人を引き込む強い力があるからです。
ストーリーがあれば、セールスページの上部に配置して使うこともできます。
また、今流行のショート動画のシナリオにしてみるもの面白いです。
もちろん、ショート動画からはあなたのYouTubeチャンネルに誘導したりする動線は作っておいてください。
さて今回は、ストーリーを作る手法の1つとして「フライタークのミラミッド」というのを使ってみます。
フライタークのピラミッドは、19世紀のドイツ人作家・劇作家グスタフ・フライタークが提唱した物語構造のモデルだそうです。
このモデルは、特に悲劇に多く見られる5段階のプロット展開を視覚化して、物語の起伏を示すものだそうで、これを使ってストーリーを展開しようという訳です。
フライタークのピラミッドは以下の5つの主要な要素で構成されています。
1. 序章(Exposition):物語の導入部で、背景情報や主要キャラクターの紹介が行われます
2. 上昇する行動(Rising Action):物語が勢いを増し、複雑な問題や対立が生まれる段階です
3. クライマックス(Climax):物語の頂点で、最も劇的な場面や転換点が訪れます
4. 下降する行動(Falling Action):クライマックス後の展開で、結末に向かって進んでいきます
5. 結末(Dénouement):物語が終結し、すべての伏線やテーマが解決される段階です
このモデルは、古代ギリシャの悲劇やシェイクスピア作品の構造を参考に作られたそうです。
そんな古典的ともいえる構造にも関わらず、現在でも多くのジャンルに適用され、物語の構成を理解するための有用なツールとして広く用いられているというから驚きです。
さて、この構造を使ってストーリーを作ろうとした場合、これまでなら、この構造を自ら理解した上で、イチから自分でライティングするしかありませんでした。
ところが、今は時代が変わり、ライティングの補助をChatGPTなどの生成AIがしてくれます。
補助と言うより、ほとんど全部作ってくれると言っても過言ではありません。
ChatGPTをどのように使うか
ChatGPTなどの生成AIを使って、「フライタークのピラミッド」の構造を踏襲したストーリーを作るためにはどういった手順が必要になるのか?
例えば、すでに売りたい商品やサービスのセールスページがあるなら、そのページの文章をベースにして、いきなりプロンプトに「フライタークのピラミッド」の構造でストーリーとして作って下さい。と投げるのもアリだと思います。
ここまで手抜きをしても、ChatGPTならそれなりのストーリーにしてくれますし、物語になっていると不思議と十分に読みたくなるものです。
そして、その内容がイマイチであってもそのまま読み進めてもらえる可能性が高まります。
ショート動画として作ったなら視聴者は続きを見たい気持ちになりますし、途中離脱の可能性も下がります。
ただ、今回はなるべくストーリーのレベルを上げるためにベストを尽くしてみたいと思います。
そこで、まずはChatGPTに「フライタークのピラミッド」でストーリーを作るために必要となる事柄をリストアップしてもらいます。
今回使う題材は、リフォーム会社のサービスにしました。
最初にChatGPTに投げたプロンプトは以下です。
Webページでストーリーを語ることで、弊社の提供するサービスである「中古マンションのフルリノベーション」の価値を伝えようと思います。
この「中古マンションのフルリノベーション」のコンセプトは以下です。
– 築古マンション物件をフルリノベーションして新築同様にする
– 当然新築マンションを購入するより圧倒的に低価格
– 新築マンションは供給数が減っており価格もかなり上昇している
– スケルトン化してからのフルリノベーションなので間取りも自由自在に設計できる
– 築古マンションは立地がいい場所が多いので生活に便利
– マンションの外観さえ気にしなければ新築マンションと大差はない
「フライタークのピラミッド」でストーリーを作るために必要となる事柄をリストアップしてください。
下降するアクションの部分が難しく感じているのでアドバイスもお願いします。
そして、ChatGPTから返ってきた回答が以下です。
「中古マンションのフルリノベーション」をテーマにしたストーリーを「フライタークのピラミッド」で構築するためには、以下の要素を準備してください。
1. 導入 (Exposition)
主人公の設定: マンション購入を検討する家族や個人(例: 新婚夫婦、子育て世代、定年後の夫婦など)
現状の問題や課題:
- 新築マンションが高すぎて手が届かない
- 良い立地の物件が少ない
- 現在の住まいが老朽化している
背景情報: 主人公のニーズ(例えば、「通勤・通学に便利」「間取りにこだわりたい」「家族の将来を考えた家がほしい」など)
2. 上昇するアクション (Rising Action)
問題に立ち向かう試行錯誤:
- 新築マンションのモデルルームを見学するが予算に合わず断念
- 中古物件を検討するが、リフォームにどれくらいの費用がかかるかわからない
- 理想的な物件を見つけても、間取りや設備に不満が残る
「フルリノベーション」の情報との出会い:
- 不動産会社や友人からフルリノベーションの可能性を知る
- 築古マンションを新築同様にする手法のメリットに気づく
興味が湧いた具体的なきっかけ: 立地の良い築古マンションが手頃な価格で市場に出ている
3. クライマックス (Climax)
フルリノベーションの決断: 築古マンションを購入し、スケルトン化して自分たちの理想の間取りを設計
施工中の期待と不安: 内装デザインの選択や工事の進捗に一喜一憂する様子
完成の瞬間: 家族が新しい空間を見て驚きと感動を味わう場面
4. 下降するアクション (Falling Action)
導入直後の生活の変化:
- 理想の間取りで家事や子育てが楽になったエピソード
- 通勤・通学が快適になった
- 近所の良い立地を活かした便利な生活の例
小さな課題と解決方法:
- 例えば、「築古物件ゆえの外観への不満」や「マンション管理規約の制約」を工夫して解決する話
- ご近所との交流や、新しい地域での生活への適応エピソード
リノベーション後の満足度: 周囲からの「新築みたいだね」という感想や、コスト面での満足を実感する場面
5. 結末 (Denouement)
長期的な視点: 家族がリノベーションした家で暮らし続けることで得られる安心感や充実感
読者へのメッセージ: 「新築マンションにこだわらず、自分たちだけの理想の家を手に入れる方法がここにある」
このように必要な要素を指示してくれるので、後は地道に答えていきます。
ここが一番大変な作業なのですが、イチからストーリーを作る手間を考えれば、これなら質問に答えればいいだけなのである意味では楽ちんです。
そうは言っても、作るべき要素は結構なボリュームがあるので、ここは焦らずにじっくり作る工程になります。
使ったプロンプトと出来上がったストーリー
では、実際に作った要素を少しご紹介します。
作ったプロンプトを全部コピペで貼り付けてもいいのですが、そんな内容を見ても面白くないと思うので一部だけご紹介します。
以下の様に作ってみましたので、これを使って「ストーリー」を作ってください。
1. 導入 (Exposition)
主人公の設定: マンション購入を検討する家族や個人(例: 新婚夫婦、子育て世代、定年後の夫婦など)
⇒
2人暮らしのシニア夫婦
現状の問題や課題:
⇒
子どもは自立して家を出たので今のマンションは広すぎる。
高齢者向けのコンパクトなマンションを探しているが新築マンションが高すぎる。
今は、郊外の駅から距離のある場所に住んでいるので生活の便のよい駅前などに住みたい。
背景情報:
⇒
高齢者に最適化されたマンションに住みたい、今のマンションを売ったお金の範囲で新たなマンションを購入したい。
・・・
・・・
・・・
面白いことに、こういった作業をしているとビジネスの棚卸しになっていろいろなことが見えてきます。
実は、このサービスは私のクライアント様が実際に提供しているサービスで架空のサービスではありません。
つまり、このサービスには私も深く関わっているので尚更そのことを感じました。
私はクライアント様には、サービスを新たに作る場合は先にセールスレターを作りましょうと言っているのですが、ストーリーに必要な要素作りはその作業と似ています。
人にモノやサービスを売ろうとした場合に、ターゲットが何を求めていて、どうなったら喜んでくださるのかを改めて見直せる作業なのです。
そして、ChatGPTが作ってくれたストーリーが以下です。
さて、あなたは1行目を読んだ時点で続くが読みたくなるでしょうか?
### ストーリー
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#### **導入: 新たな暮らしを探して**
郊外の広いマンションで穏やかな日々を過ごすシニア夫婦。しかし、子どもたちが独立し、広すぎる家は掃除も大変になり、駅からの遠さも気になり始めていました。「もっと生活に便利な駅前で、高齢者に優しいコンパクトな住まいに引っ越したい」。そう考えて新築マンションを探し始めましたが、どこも価格が高く、予算を大幅に超えてしまう現実に直面します。
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#### **上昇するアクション: 新しい選択肢との出会い**
新築マンションの高額さに悩む日々、YouTubeで「フルリノベーション」という選択肢を偶然目にしました。築古マンションをスケルトン化し、自分たちの理想の間取りに生まれ変わらせるその方法に驚きました。そして、築古マンションが駅近の便利な場所に多く存在するという事実を知り、「これなら私たちの理想の暮らしが叶えられるかもしれない」と胸が高鳴ります。
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#### **クライマックス: 理想の家を形に**
夫婦は駅前の築古マンションを購入し、不動産部門も持つリフォーム会社にフルリノベーションを依頼しました。理想のバリアフリー設計や高齢者向けの間取り提案を受け、すべてお任せで進めることができたのは体力的にも安心感がありました。施工中は理想通りに仕上がるか多少の不安もありましたが、完成した新居を目にした瞬間、その新しさに感動。「本当に新築みたい」と笑顔がこぼれました。
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#### **下降するアクション: 新たな日常の始まり**
駅前の新居での生活は、これまでとはまるで別世界。徒歩や公共交通機関を利用する生活に切り替え、車を手放しても不便はありませんでした。駅ビルにはカルチャーセンターがあり、地域のコミュニティに参加することで新しい人々との交流も始まりました。
一方、共用部分である窓が古いままで断熱性能が低いという課題も。しかし、断熱シートを貼るなど地道な工夫で対応しています。そんな中、息子夫婦や友人が新居を訪れ、「新築マンションみたいだね」と驚く姿を見ると、この選択が間違っていなかったと確信しました。
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#### **結末: 理想の暮らしを手に入れて**
築古マンションに不安を抱いていた建て替えの問題も、近所の方々の話を聞くことで杞憂だと分かり、さらに安心感が増しました。「これからもこの家で、穏やかな老後を過ごしていこう」。夫婦の心には、新しい生活への充実感が満ちています。
「新築マンションにこだわる必要はありません。築古マンションのフルリノベーションという選択肢が、理想の暮らしを実現する道を切り拓いてくれました」。少しの妥協で、大きな満足を得た夫婦のストーリーは、新しい家探しに悩む多くの人々に新たな道を示してくれるでしょう。
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このストーリーは、共感を呼ぶリアルな体験を通じて、フルリノベーションの価値を伝えることを目指しています。
今回は、強力なマーケティングツールであるストーリーを「フライタークのピラミッド」という構造を使って、生成AIを使って作ってみました。
この手順でやってもらえば、あなたの商品、サービスのストーリーも長くても数時間あれば作れます。
完成したストーリーは、セールスページの先頭には位置するもよし、ショート動画を作って集客の動線として使うのもよし、使い勝手がいいツールとなること間違いないでしょう。