利用可能性ヒューリスティックとは、楽をしようとする人間の本能です。広告費を使える大手企業は、テレビCMを使って何度も同じフレーズを視聴者に刷り込み、利用可能性ヒューリスティックを誘発して商品を買わせています。ただ、お金を使えない我々個人や中小企業もインパクトと具体性を使うことで同じことができます。
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あなたの洗脳され度は?
あなたが、テレビのCMに洗脳されているのかを確認してもらうために質問をさせていただきます。
一問目です。
事例として、ちょっと古いかもしれません。
(若い方はピンと来ないかもしれませんが、私がバブル世代なのでお許しを^^)
以下の●●●に入る言葉を連想してください。(実際の文字数と●の数は無関係)
”スカッとさわやか●●●”
↓ ↓ ↓
はい、もちろん”コカコーラ”です。
二問目です。
こちらは、最近の事例なので若い人でもわかるはずです。
同じく、以下の●●●に入る言葉を連想してください。
”お値段以上●●●”
↓ ↓ ↓
はい、”ニトリ”です。
よく考えると明らかにおかしい
ところで”スカッとさわやかコカコーラ”の方ですが、よく考えると明らかにおかしいことに気付きます。
なぜなら、”スカッとさわやか”なのは、絶対評価からすると”コカコーラ”ではないからです。
恐らく”スカッとさわやか”という評価に値するのは、”晴れた秋の空”なんかじゃないでしょうか?
でも現実には”コカコーラ”と答える人が多い、私の世代で言えばほぼ100%がそう答えます。
理由は簡単で、テレビCMで”スカッとさわやかコカコーラ”というセリフを何回も刷り込まれているからです。
要するに洗脳されている訳です。
そして、洗脳された人たちの”利用可能性ヒューリスティック”を誘発します。
利用可能性ヒューリスティック、ってなんだよ?
いきなり難しい用語を出してしまって申し訳ありません。
『利用可能性ヒューリスティック、ってなんだよ?』ですよね。
まず、”ヒューリスティック”についてですが、これは簡単に言うと、人が安易に使ってしまいがちな方法のことです。
悪く言えば、楽して手を抜いて使ってしまう方法です。
それが具体的になると、”スカッとさわやかコカコーラ”に洗脳されている人は、何か飲み物を買おうとした際に”熟慮することなく”コカコーラを買ってしまうということです。
では、なぜ人は熟慮しないでこのような安易な行動を取ってしまうのか?
楽をしようとするのは人間の本能
これは、人の本能と言えます。
脳は資源が限られているため、資源を有効に使うために常に楽をしようとするためです。
そこで、”ベストな行動ではないとわかっているが、まあまあ満足できるはず”と認識している行動を取ります。
ただ、コカコーラに関しては、この認識は間違っている人の方が多いはずです。
中には正しい認識になっている人もいますが少数派なはずです。
つまり、大手企業のマーケティングにやられている訳です。
パッと頭に浮かぶものをいい物だと錯覚する
次に、ヒューリスティックの中の”利用可能性ヒューリスティック”についてです。
”利用可能性”が付くヒューリスティックは、容易に想起できることは頻度が高いと判断してしまう思考です。
容易に想起できる、パッと頭に浮かぶ、つまり、利用可能性が高いということです。
そして、頻度が高いというのは、言うなれば”いい物である”、”人気がある”と錯覚していることです。
テレビを使ったCMによる刷り込みは、この利用可能性ヒューリスティックを誘発しているわけです。
これは恐ろしいことに、テレビを付けてCMからの音声を耳に入れている限りは、この仕組みが分かっていて気を付けていてもなかなか避けられません。
どうしても避けたいなら、民放放送は見ない、オンエアーは観ないで常にCMはスキップする、それぐらいやらないと難しいです。
広告費を使える大手企業には対抗できないのか?
ところで、私たちが自分の商品・サービスに自信を持っていて、本当に無害で役に立つという信念があるならこの利用可能性ヒューリスティックを誘発してみたいところです。
少なくとも、コカコーラさんには失礼ですが、砂糖まみれで肥満やメタボや虫歯の原因になるジュースを売るためだけには使わせたくないです。
また、大手企業が金の力で行っていることも個人的には悔しいです。
私たち中小零細個人の場合は、何億円もかけてテレビCMを流し続けるのは無理ですし、そんなことをやる必要もありません。
そもそも、お金があったとしても、刷り込みをする訳ではありません。
私たちにもやりようがある
私たちのやることは、商品・サービスを見込み客の方々にとって”馴染みのあるもの”にすることです。
そのやり方で、あくまで、力技としてはCMを使った刷り込みなのです。
私たちは、力技ではなく頭を使って工夫をしましょう。
私たちが使える方法は、強いインパクトを与える、そして、具体性を高める、の2本立てです。
これに加えて、ちょっとハードルが上がりますが、”経験”してもらうという方法があります。
こちらは、説明が長くなることもあり今回はスルーします。
インパクトと具体性の2つで十分です。
インパクトと具体性
インパクトについては、ウソでなければ工夫次第であの手この手が使えます。
今は動画が使えますから、動画を使って強いインパクトを与える方法を模索するのがいいと思います。
次に、具体性についてですが、これは商品・サービスについてしっかり説明するということです。
ある意味、ビジネスの王道です。
メリット・スペックなどの説明はもちろん、商品・サービスのバックグラウンドにあるストーリーも伝えます。
特に、ストーリーは効きます。
説明手段は、Webページでの文章で工夫して伝えるのはもちろんですが、もちらも動画が使えます。
昨今、文章を読むのが苦手が人が増えているようです。
そういったターゲットには、動画で伝える方がいい結果がでる場合もあります。
しっかり説明して伝えることで、私たちの商品・サービスについてすごく分かりやすくて腑に落ちる状態に持っていく訳です。
もちろん、2本立て両方使うのが効果が高いですが、このどちらか一方でも十分に”なじみのあるもの”になることが可能です。
まっとうなビジネス活動
”利用可能性ヒューリスティック”というと堅苦しいです。
ただ、やることは、自分の商品・サービスを”なじみのあるもの”するマーケティング活動です。
極めてまっとうなビジネス活動だと思います。