これから「来る」と言われている音声コンテンツは、YouTube動画と同じように個々によって発信できるメディアとしてのコンテンツのようです。動画が主流になった現在では今さら感がありますが、それなりの理由があります。選択肢としてはPodcastやstand.fmがありますがそれぞれには特徴があります。
なぜ今さら音声コンテンツなのか?
改めて、なぜこれから音声コンテンツなのかですが、これから来る音声コンテンツというのは、言うなれば個々に発信するラジオと考えるといいと思います。
個々に発信するテレビをYouTubeと例えると、それがラジオも個々に発信する時代という感じです。
ただ、これまでのネット上のコンテンツの成長の過程としては、
文章であるブログ
↓
音楽を含めたPodcastなどでの音声
↓
動画
という感じの流れでした。
つまり、コンピューターの性能とインターネットの回線速度の成長に合わせて変化してきた感じです。
この先は、もっと性能が上がりって高速になることで、VRコンテンツが来ると思われます。
ところが、こういう進化の流れにもかかわらず、今というか今後は音声コンテンツが熱いとか言う人がいるわけです。
当然「なぜ今さら音声に戻るのか?」と不思議に感じるのですが、それなりの理由があるのです。
まず1つ目の要因が、Air Podsを初めとするワイヤレスイヤホンの普及です。
ケーブルがあるイヤホンと違って、ワイヤレスイヤホンは邪魔にならないので取り外すことなく耳に入れっぱなしにしている人も多いようです。
わたしもAir Pods Proを使っていますが、ノイズキャンセリングの性能も秀逸で非常に快適です。
次に、スマートスピーカーの普及と更なる高性能化による普及が考えられます。
個人的には、Googleスピーカーでも、Amazon Echoでも、Podcastが聴けるようになったのが大きい気がします。
更に、今後は自動車にもネットに常時接続されたスマートスピーカーが搭載されたり、あるいは自動運転の普及もあります。
加えて、配信するコンテンツが既にある音声コンテンツとは少し毛色が変わるのだと思います。
これまでの音声コンテンツは、音楽は別にして、ラジオ系でのニュース系が大半でした。
いずれも”ながらコンテンツ”、つまり何かしながら聴くコンテンツです。
そこに、ながらで聴ける教育系コンテンツが入ってくるのだと思います。
教育系のコンテンツは、YouTube動画でも当初は見向きもされなかったですが、今では1つのジャンルを確立して普通に観られるようになっています。
今度は、音声コンテンツでも教育系コンテンツが流行ると考えられます。
もう一つ、音声コンテンツが成長の可能性がある理由として言われているのが、日本市場の伸びしろです。
米国での音声コンテンツ利用経験者はネット利用者の50%なのに対して、日本では20%にとどまっていると言うことです。
つまり、日本にはまだ成長する可能性があるということのようです。
音声コンテンツのYouTube的存在
では、音声コンテンツを配信しようと考えた場合には、動画で言うところのYouTubeのようなプラットフォーム的な存在はあるのでしょうか?
つまり、絶対的な存在、あるいは近い将来絶対的な存在になりそうなプラットフォームです。
結論としては、ありません。
音声コンテンツ配信プラットフォームとしては、Voicy、stand.fm、himarayaさんなどがありますがどれも絶対的な存在ではありません。
ただ、Podcastというシステムがあります。
Podcastと聞くとAppleのiTunesを想像するので、Apple社のプラットフォームと思われていますが実は違います。
Podcastとは、あくまでも音声コンテンツを配信するための仕組みの名称なのです。
Podcastという名称の由来が、iPodとbroadcastの組み合わせから来ているので余計ややこしです。
ところで、Podcastという仕組みを使って音声コンテンツを配信するためには、かつてはかなり高いハードルがありました。
自前でサーバーを借りて、ウェブサイトを立ち上げそこに音声ファイルをアップして、その上でいろいろAPIなどの設定をしてなどです。
私も以前お仕事としてこのセットアップ作業をお受けしたことがありますが、結構大変だったことを覚えています。
つまり、一般の方には、到底無理な作業だったのです。
ところが今は、その配信のための環境が劇的に改善されて、一般の人にも手軽に、しかも無料で音声コンテンツを廃止できる仕組みが登場しています。
具体的には、Anchorやhimalayaなどを利用すればいいのですが、詳しくは後述します。
盛り上がりのきっかけになったstand.fm
実は、随分前からPodcastというシステムがあったのに、急に音声コンテンツが騒がれた理由は「stand.fm (スタンドエフエム)」さんという企業の存在です。
stand.fmさんは、音声配信プラットフォームを提供している会社で、言うなれば音声版のYouTubeみたいな存在です。
加えて日本の企業でありまして、その企業が2020年の8月に5億円の資金調達をしました。
そのタイミングで、SPPという配信者の収益化を支援するプログラムが発表されました。
このことが、きっかけになったようです。
このSPPは、ざっくりした説明をすると、YouTuberが広告やメンバーシップで稼いでいるのに近い仕組みです。
つまり、音声コンテンツ配信者が、SPPによって収益を得るための仕組みが提供されるようになるということです。
ただ、まだサービスが立ち上がったばかりで、まだまだ稼げるという状態にはないようです。
ちなみに、stand.fmさんはPodcastとは別の独自システムで互換性はありません。
stand.fmの特徴は、スマホのアプリを使ってスマホだけで音声配信ができることが今の時代にマッチしています。
また、アプリがお洒落と言うことで評判が高く、配信方法としてはLIVEと収録の2種類が使えます。
また、特筆すべき特徴の1つとして、限定配信用のURLというのが使えます。
つまり、一般に公開するのではなく、一部のURLを知っている人だけ音声を届けることができます。
例えば、noteなどの有料コンテンツにこのURLを貼り付けて音声コンテンツを提供したり、あるいは、ビジネス用のLINEなどで音声コンテンツを送ったりすることができます。
ただ、Podcastでも、限定にできないというだけでURLを使って同じようなことは可能です。
見込み客の集客に使う方法
ところで、音声コンテンツを見込み客の集客に使えるなら使わない手はありません。
見込み客の集客のためには、誘導用のURLをどこかに貼り付ける必要がありますが、Podcastの場合は説明文に貼り付けが可能です。
他のVoicy, himaraya, stand.fmなどのプラットフォームでも、何らかの方法でできそうです。
音声コンテンツの中で、説明文にリンクがあることを伝えれば一定数のアクセスを呼び込むことは可能だと思います。
現時点で、音声コンテンツを使って見込み客を集客するためのオススメとしてはPodcastを使う方法です。
そして、具体的にはAnchor(アンカー)というサービスを使って配信するのがいいと思います。
Anchorを使うと、同時に9チャンネルに自動でポッドキャスト配信してくれます。
この9つの中には、Apple Podcast(アップルポッドキャスト)、Google Podcast(グーグルポッドキャスト)、Spotify(スポティファイ)が含まれます。
とりあえず、これだけで十分なような気がします。
聞くところによると、Spotifyへの配信は有効のようで他のチャネルに比べると多く聞いてもらえるようです。
他の方法としては、himaiayaを使ってマルチに配信する方法もあるようですが、現状ではAnchorの方を使っている人が多いようです。
また、ちょっと技術的に難しい話になりますが、rssフィードが生成されるのでそれを使えば他のPodcastチャンネルにも登録が可能です。
具体的には、Amazon Prime Musicなどにも登録が可能です。
また、話題のstand.fmの場合は、別の作業として音声をアップする必要があります。
ただ、同じ音声コンテンツが使える訳ですから、一手間増えますがついでにアップしてもいいかもしれません。
実際の集客効果の程は別にして、音声コンテンツの方が、動画コンテンツを作るよりもハードルが低いのは事実です。
また、動画コンテンツを既に作っている人は、その音声だけを流用する手もあります。
事実Anchorでは、YouTubeにアップするのと同じ動画ファイルをアップすれば音声だけ抜き出してアップしてくれます。
Anchorは無料ですから、YouTubeをやっている人はやらない手はないような気がします。