相手の感情を動かす方法がわかると、自分は感情が動かされにくくなります。相手の感情を動かすには、まず聞く耳を持ってもらう状態に持っていきます。具体的には、お涙頂戴とラベリングです。その後、強い欲求を起こさせるテクニックを使うといいのですが、認知的不協和は有力な1つです。

マーケティングを覚えると、他人のマーケティングの手の内がわかるようになります。

幼稚とも言えるマーケティングも多く見ることになりますが、そのレベルにも多くの人がダマされることを知ることになります。

逆に、自分自身はダマされる確率が劇的に下がります。

ただ、それでも人は感情の生き物なので、感情を動かされた時点でコントロールは効きにくくなります。

そして、相手はあなたの感情を動かそうとさまざまなテクニックを駆使してきます。

今回は、自分自身がそういったテクニックにダマされないために学びたいセルフチェックの方法をご紹介します。

ただ、逆に相手の感情を動かすために使えるテクニックにもなってしまいます。

そのため、あなたが相手の感情を動かす際にも使えます。

使い方にはモラルを持っていただければと思います。

操られることを防ぐ

実際にその時になると難しいかもしれませんが、欲求や衝動が湧いて動かされそうになったらセルフチェックをするようにしてください。

そうすることで、自分自身が不本意な状態で操られることを防げるわけです。

具体的には、

「相手が同情を買いに来ている」

「社会的意義によって、断りにくい空気を作ってきている」

「このサイトは公正性を意識させながら、買わせようとしている」

こんな感じ気付くことになります。

感情が動いてしまった後ではフラットに戻るのは難しいので、その前に気付けるといいです。

つまり、感情を動かすトリガーというテクニックがあって、これらにはそれが使われています。

伝わりやすくする準備

相手の感情を動かすためには、何かを伝える訳です。

ただ、そうは言っても、相手が聞く耳を持っていないと何を言っても伝わりません。

そこで、まずは聞く耳を持ってもらい、加えて、その気になってもらうようにします。

この準備ができると、話は伝わりやすくなり相手の感情を動かしやすくなります。

逆に、こういった準備ができていないと、リアルで対面ならまだしも、オンラインメディア経由だと相手の感情を動かすのは非常に難しいわけです。

聞く耳をもってもらうために常套手段として使われているのが”お涙頂戴”です。

いわゆる同情ストーリーで、同情を買う訳です。

この同情ストーリーを伝える際のポイントは、少しずつ出しながら聞き手の感情を細かく揺さぶることです。

まとめて話すと、話が表面的になるため効果が下がります。

また、自分には同情を引くストリーがないとお考えの場合は、失敗談や後悔していることでも同様の効果が得られます。

ちなみに、あなたの知らないところで大手企業もこのお涙頂戴の同情ストーリーでマーケティングをしています。

例えば、スターバックスのコーヒー豆フェアトレードもその1つです。

それ以外にも、”恵まれない子供だちに売上げの一部を寄付”といったフレーズは、頻繁に耳にすると思います。

まさに、これも同情ストーリーです。

次に、その気になってもらうための方法です。

相手をその気にさせるにはラベリングが有効です。

「●●してください!」だと響かないのですが、「●●な人になりましょう!」だと響くわけです。

具体的には、「副業で稼ぎましょう!」よりも「自力で稼げる人になりましょう!」という感じです。

ちなみに、ラベリングは自分の目標達成にも活用できます。

強い欲求を起こさせるトリガー

強い欲求となるトリガーの1つに、”認知的不協和”があります。

認知的不協和というのは、”人が自身の認知とは別の矛盾する認知を抱えた状態、またそのときに覚える不快感を表す社会心理学用語”とwikipediaで説明されています。

つまり、人は、本来の自分とは違うと思っている行動を取っていることに気付くと、それを回復する行動を取ります。

そこで、このことに気付かせてあげるわけです。

例えば、営業マンがセールスの際によく使う手として、アンケートの依頼があります。

アンケートで得た相手の情報を元に、セールスを展開してくるわけです。

ただ、大抵の人は相手が誰であれ「アンケートに答えていただけませんか?」と言われても適当に断ると思います。

理由は、このまま話を聞くとダマされそうというよりも、ほとんどの場合、気乗りしない、面倒臭い、なんとなく、と些細な理由で断るわけです。

ところが、このタイミングで営業マンに真摯な態度で「お答えいただけないのは、なぜですか?」などと突っ込まれるとどうなるでしょうか?

そうすると、ひねくれた考えで相手を否定し、手間を惜しむケチな自分に気付くわけです。

そして、本来の人としての基本的な欲求である、”誰かの役に立ちたい、感謝される存在でいたい、親切にしたい人でありたい”という自分との乖離で認知的不協和が生じて自己イメージを回復させる行動をとります。

そして、そのままアンケートに答えてしまい、ずるずるとセールスに持ち込まれて、最終的には説得されて買ってしまうことになります。

ですので、アンケートとか、無料くじとかは、サクッと断って逃げて下さい。

逆に、相手に認知的不協和を生じさせることができれば、強い欲求を起こさせることができるわけです。