飲食店の経営は2年以内に50%が閉店すると言われるぐらい難しいです。マーケットインのビジネスセンスを身に付けて成功率を高めてから自分のお店を開く。そのために低コストで飲食業を始める方法がいくつかあります。自動販売機を使った方法も有力な方法だと思います。
フランス料理の自動販売機?!
あるフレンチレストランの前に、フランス料理の自販機を設置してるお店があるのを知って目からウロコでした。
そして、自動販売機を使った料理の販売は、お店を持っていない人にも使える手法だと直感しました。
これって「ビジネスアイデアとは?」思ったわけです。
飲食店が長続きしない理由
飲食店は、開店してから2年以内に50%が閉店すると言われていいます。
新入社員は、3年以内に3割が辞めるそうなのですが、その数字よりもひどい数字かもしれません。
閉店の理由は、借金を返せる程の売上げを上げられないまま資金がショートするからです。
飲食店は、大抵は初期投資がかかり、それを借金で工面します。
ただ、当然返済が必要ですので、営業が軌道に乗らないとキャッシュが底をついて返済ができなくなるので閉店するわけです。
飲食店は、ある程度リピート客が定着しないと先が見えません。
リピート客が増えるためには、料理の味はもちろん、接客も含めたサービスが受け入れられる必要があります。
ただし、これはビジネスとしては大前提の話であって、本質的に必要となるのはリピート客となるお客様が定着するまでの「時間」の方です。
つまり、その時間まで何とか堪える運転資金が必要です。
緻密に計画をした上で運転敷金を用意してから開店に臨まないと、キャッシュが底をつくということです。
ただ、計画と行っても、はっきりいって飲食店の経営はかなり運にも左右されます。
ギリギリの計画の上に用意した運転資金では、かなりリスキーなビジネスと言えます。
飲食店の一番のコストは言うまでもなく家賃です。
逆に言えば、家賃を抑えられれば飲食店の成功率は劇的に上がります。
事実、長く営んでいるいわゆるつぶれない飲食店の場合、そのお店は所有物件であることがほとんどです。
加えて、家族経営ですと潰れる理由の方がありません。
逆に、これが都心の高額な物件で、アルバイトを雇っての経営となると、一気に難易度が上がるわけです。
また、昨今は、飲食店はライバルが多いです。
同業者はもちろん、コンビニ、スーパー、宅配、通販などすべてがライバルです。
だからと言って、自分のお店を持ちたいという夢を捨てる必要はないと思います。
ただ、勢いで開店する前に是非やってもらいたいのが力試しです。
「料理の味には自信がある食べてもらえれば客は増える」という考えを持つ料理人は多いです。
ただ、この考え方は、プロダクトアウトであり時代遅れです。
これからの時代に必要なのは、逆のマーケットインでビジネスをする能力です。
「プロダクトアウトにマーケットイン?」意味がわからないと思われた方もいらしゃると思いますが、これからご説明しますのでご安心ください。
自分のお店をオープンするのは、このマーケットインの能力を高めてからの方が成功率が高いと思います。
そして、お店を開かずとも低コストでこの能力を高めることが可能です。
お店を持つ前にできること
天下一品というラーメン屋さんは、屋台から始めたラーメン屋というのは有名な話ですし、それ以外にも小さく初めて大きくなった飲食店はたくさんあります。
小さく始める方法としては、もちろん屋台でもいいですし、軽トラでの移動販売、シェアキッチン、今ならウーバーイーツでゴーストレストランもありです。
ところで、こういったビジネスについては、起ち上げをサポートするコンサルビジネスが増えてきました。
ただ、こんなコンサルに何十万も何百万も使う必要はありません。
そもそも、こういった方法をとるのは、コストを抑えるためだったはずです。
高額なコンサルにお金を使っていては本末転倒です。
甘い言葉に引っかかって無駄金を出さないようにしてください。
さて、マーケットインですが、これは消費者を起点にサービスを開発する手法です。
つまり「俺の料理は食ってもらえば分かる」というのは、逆でプロダクトアウトといいます。
こちらは、自分が起点でサービスを開発する方法ですが、今は流行りません。
あなたの師匠がこの方法で成功していたなら、この方法を勧められる可能性が高いと思います。
ただ、残念ながら過去の成功体験が邪魔をして、時代が変わっていることを認められないケースは多々あります。
移動販売などで、実際に自分の料理が受け入れられるか試してみると、このことを如実に実感することになります。
人によってはやってもやってもうまく行かない日が続くかもしれません。
ただ、移動販売などでリスクを下げている場合は、被害はさほど大きくありません。
もちろん、うまくいかない日が続くと精神的には落ち込んでしまうと思います。
ただ、キャッシュの流出は最小限に抑えられています。
勉強代だと思えばいいだけですし、事実コスパ最高の勉強代です。
ところが、こんな状況を借金を抱えた上でのリアル店舗を開店した後に迎えているとそんな呑気なことはいってられません。
パニックになって、安売りしたり、無駄なメニューを増やしたり、本筋から逸れたやってはいけないことをすると思います。
リスクを小さく始めていれば、パニックにならず時間をかけてマーケットインでのビジネスを覚えることができます。
そして、市場に受け入れ始めれば貯金も溜まっていくでしょうから、その後、手応えを掴んでからいよいよリアル店舗の開店に挑めばいいと思います。
ちなみに、通販ですが、特にネット通販は手軽にトライでいると思っている人が多いですが、実は思っているよりもハードルが高いです。
リアル販売の方が圧倒的にハードルは低いです。
ですので順番としては、上述の方法でビジネスが回り始めてからトライするのがいいです。
ところで、ご紹介した軽トラ、シェアキッチン、ゴーストレストランといった系統以外に、新たな方法を見つけました。
実は、今日お伝えしたいのはこの方法です。
それは、自動販売機を使った方法です。
多分、この方法が一番リスクが低いと思います。
自動販売機で料理を売る
先日、ネットニュースで料理の自動販売機の存在を知りました。
フレンチレストランが、お店の料理をお店の前に自動販売機を設置して24時間買えるようにしていました。
買った料理は、湯煎して食べてもらうそうです。
もちろん、このサービスは、コロナ過で苦しむ飲食店が考え出した苦肉の策とも言えます。
ただ、コロナ過で苦しいのは消費者も一緒です。
飲食店は、20時以降は閉まっている、早い時間に入店してもお酒も飲めない、たまには美味しいものを食べたい、といったニーズがあったわけです。
そこで、このニーズをサービスとして形にしたのが、24時間本格フレンチが買える自動販売機だったわけです。
これぞ、マーケットインです。
この自動販売機戦略ですが、現在リアルの店舗を経営されている方の場合は、そのまま真似するのもありです。
ただ、私は、この自動販売機での販売から飲食ビジネスをスタートするのもありだと思ったのです。
軽トラに比べれば、初期投資はかなり低いはずです。
ウーバーイーツなどでのゴーストレストランよりは初期コストは高いでしょうが、一度売れ始めてしまえばその後の利益率は高いです。
やることは至ってシンプルです。
料理をパウチ加工して、それを冷蔵機能のある自販機に入れて売るだけです。
自動販売機をオーダーメイドで作ると高く付きますがその必要はありません。
既製の自動販売機で流量できるはずです。
最大の問題は、その自動販売機をどこに設置するかだと思います。
まず、自動販売機の設置場所だけを紹介してくれる会社やサービスはないでしょう。
理由は、自販機を設置したい会社は自ら探す、あるいは探してもらってそこに自社の自販機を設置するからです。
そこで、自分で探すことになります。
設置場所は、商品の補充や入れ替えをする必要がありますから近場である必要があります。
自宅の前にスペースがあれば、場所的にはそこがベストですが、ある程度売れないと意味がないので、人通りの少ない住宅地ではダメでしょう。
自宅と言いましたが、この自販機でのビジネスに限らず、ゴーストレストランの場合もキッチン用に場所を借りてはコストがかかります。
最初は、自宅で工夫してやるべきです。
そこまで、低コストにこだわって先ずはビジネスを覚えた方がいいです。
自動販売機での販売は、広告ができませんから、設置場所で販売数が決まります。
そのため、ある程度売りたければ、設置費用が少々高くても良い場所を選ぶ必要があります。
大通りや商店街なら文句ないですが、そんな場所に設置できる可能性は低いです。
個人的に狙い目と考えるのは、コンビニのある通り沿いです。
そして、コンビニのなるべく近くです。
大手のコンビニは、出店の際に緻密なマーケットリサーチをしているので、それなりの人通りがあるからです。
もし、そういった場所にジュースなどの自動販売機があったらその所有者と交渉して、そこのリプレースを狙ってください。
それまで所有者がもらっていた金額よりも高い金額をオファーすれば、断る理由はないはずです。
オーナーとしては、将来その自販機がうまくいかなくて撤去されても、元の自販機に戻せばいいだけです。