こんにちは、藤田です。
 
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衝撃を受けた画像生成AIの性能向上

今回も生成AIの話からですが、タイトルで言っている「コンテンツ」とは、種類として、文章、イラスト、写真、音楽などのことです。

もちろん生成AIの利用料金は発生しますが、もうすでに今の時点で、これらのコンテンツの制作費はほとんどゼロと考えてもいいかもしれません。

まず、文章の作成については、もちろんその種類や目的にもよりますが、いちばんコストゼロというのが分かりやすいと思います。

これは、組織内でマネージャーが作業者に指示して作らせる場合もそうですし、組織外に外注する場合も同様です。

もちろん、反論もあるとは思いますが、これまでライターさんに文章作成を丸投げしていたケースについても、生成AIを使うことで、もうコストはかからないと思うのです。

具体的には、これまでライターさんとしていたやり取りの時間を生成AIとのやり取りに置き換えたり、あるいは、細かい修正についてはその場で自分で行えば済んでしまうということです。

もちろん、組織内でマネージャーが作業者に対して行う場合もまったく同じです。

つまり、そう考えると、かなりの範囲で文書作成の仕事については、ライターさんへの仕事依頼はほぼ不要になります。

組織内においては、その程度の仕事を人を雇ってまでやってもらう必要がなくなります。

ここでマネージャーや発注者の負荷が上がるという反論もあると思いますが、これまで対人でやっていたことを対生成AIにするだけなのでどちらかと言えば正確さとスピードを考えると負荷は下がるはずです。

次に、イラストや画像についてですが、これは「GTP-4o」の画像生成能力が大幅にアップしたため、文章コンテンツ並に生成AIに任せることができるようになりました。

これまでの画像生成AIについては、Stable Diffusionの登場から始まって、Midjourneyによる高画質の画像生成と、留まるところを知らない性能向上が続いてきました。

ただ、使い勝手としては、文章の作成に比べると、指示文であるプロンプトの作り方が難しく、思い通りの画像を作るのが困難であるという問題がありました。

ところが、この状況が、ChatGPTで細かい変更を行いながら思い通りの画像が作れるようになり、しかも「GTP-4o」の性能向上で来るところまで来た感じがします。

Midjourneyの使い勝手が悪くて画像生成AIから離れていた人は、一度今のChatGPTで画像生成をやってみると恐らく驚きの結果を目の当たりにすることだと思います。

次に、音楽ですが、これは私も最近知ったのですが「Suno」という音楽生成AIに驚かされました。

もう著作権などを気にすることなくオリジナルの音楽が作れます。

しかも、ボーカルまでかぶせられるというとんでもない生成AIです。(自分で歌う必要はありません。)

もちろん、プロのミュージシャンに言わせればまだまだなのかもしれませんが、私の様な音楽に疎い人間からすればこれで十分という感じです。

そして、まだビジネスでの利用にはもう少しなのが動画生成AIですが、これも今年中にはもう一皮剥けるだろうと言われています。

コンテンツクリエイターの未来はどうなるのか?

二次元のコンテンツ制作については、もうすでにコンテンツクリエイターの出番の多くが激減しているわけです。

今後生き残るクリエイターは、「生成AIっぽいコンテンツが嫌」という人向けのコンテンツが作れる人だけになると思います。

だからと言って、コンテンツ制作の価格やスピードでは歯が立ちませんから、尖った人とか、個性的な仕事ができるクリエイター以外は残りません。

これまで、いわゆる普通の仕事をしていた人たちは、存在意義のない時代になってしまった訳です。

もちろん、クリエイター自体が生成AIを使った方がセンスの良いコンテンツが作れるはずなので、ビジネスの企画側に回るという選択肢はあります。

まだ二次元のお仕事が完全になくなった状態ではないとは思いますが、先細りは間違いないでしょう。

個人的には、クリエイターの方々には、もう今からそちらを目指すことをオススメしたいです。

それと、これは二次元コンテンツの話ですが、実は三次元のコンテンツにも生成AIの影響が及ぶ可能性もあります。

ちょっと飛躍した発想にはなりますが、VRの世界になれば三次元のコンテンツも生成AIで作れるわけです。

突拍子もないことを言っているように思われるかもしれませんが、時間占有率を考えた場合には、人が活動するのがリアルでもVRでも同じと言うことが言いたいのです。

VRで同じことができるのであれば、あえてリアルでやる人がどれぐらいいるのだろうかと私は思うのです。

これからの起業家に必要なのは発想力

多くのクリエイターに取っては受難の時代ですが、ビジネスを企画する側にとってはコンテンツ制作費がほぼゼロになる点では良い時代です。

ただ、すべての企画側が同じ条件下にあるので楽になるという話ではありません。

あくまで競争の条件が変わっただけです。

今までは、クリエイターとのやり取りにはかなりの時間を取られていたはずです。

また、必ずしも思い通りのコンテンツが上がってきた訳でもないはずです。

その状況が変わります、というかもう変わりました。

今後は、時間の余裕が増えて、コンテンツの品質が上がったことで得られた余裕をどれぐらい企画の方にエネルギーとして投入できるかが勝負になると思います。

これから起業家に必要な能力とは、企画するためのアイデア力、企画を具現化するためのスピード、そして、淡々と形になるまで続けられる継続力と言ったところでしょうか。

アイデア出しも生成AIの助けを借りられますし、生成AIは網羅性が高くてこちらが見落としていることまでアウトプットしてくれます。

ただ、大元のアイデアを発想力を高めるためには、もっと根源的なインプットが質・量ともに必要です。

では、何をすればいいのか、何をインプットすればいいのか、という話になりますが、これははなかなか難しい問題です。

私の考えの1つとしては、やや抽象的ですが、多様性を高めたインプットは有効かと思います。

平たく言うと、自分の専門領域の外から発想を得るために、門外漢な分野での学びをするということです。

インプットのリソースとなるものは書籍が有力ですが、少なくともAmazonでは見つけにくいと思います。

Amazonもそうですが、今のSNSを含めたWebサービスでは、あなたの好みに応じたレコメンドがされます。

インターネットはオープンな世界であるはずなのに、その上で使っているWebサービスのレコメンドは偏っていることを認識することは重要です。

かなり意識して工夫をしないと、自分の好みの情報の外側にある情報は、インターネットからは得られません。

普段使っているSNSでは到底無理で、相当偏っていると思ってください。

言い方を変えると、あなたに喜んでもらうために、あたなにマッチした情報だけを提供してくれているのです。

ただ、今は情報の多様性を求めているのですから、普段の好みにマッチした情報だけを与えてもらっても全く意味がないのです。

こんな状況にいるからこそ、書架を見て歩けて、普段は全く触れない分野の本に出会うことができる大型書店の価値が高まります。

最近では、すっかり小さい本屋さんは言うまでもなく、都心にあった大型書店もどんどんと姿を消しています。

発想を広げるための多様な情報を得るためには、わずかに残っている大型書店は非常に貴重な存在になるかもしれません。

余談ですが、私は小さな貢献とは思いながらも、本を買うときはなるべくリアル書店で買っています。